南谷の自分探し

日常・趣味についてのブログです。

悩める青年 老子と格闘中 二

先日は老子 第一章~第三章までを考察してみました。

 

antj.hatenablog.com

 

今回は第四章について考察・解釈をしてみようと思います。

 

相変わらず「ジャイアントはこう読んだよ」なので肩の力を抜いて付き合っていただけたら嬉しいです。

 

[第四章 老先生は知恵がお嫌い?]

 

以下岩波文庫様より、第四章書き下しの一文です。

 

――其の鋭を挫き、其の紛を解き、其の光を和らげ、其の塵に同ず。

岩波文庫 「老子」 第四章)

 

鋭には「賢い」といったニュアンスが含まれます。それらを挫くと老子さんは言っています。

 

以前の記事で紹介した第三章でも、民を無知無欲にさせよと言っています。 なので知という概念をよく思っていないという点で、第三章とリンクしていますね。

 

思うに、第三章でふれた「知恵者に国を回させるな」と同様、老子さんに言わせれば人や国家の充実は知恵では補填できないようです。知恵で凝り固まった考えを解きほぐしてあげて、雑念を捨てることだと老子さんは言いたいのではないでしょうか。

 

知恵で国を回すこと、人格を形成することは前記事でも触れたように小賢しい考えに陥りがちになります。知の危うさ、限界を示唆しているのではないでしょうか。

 

だから老子さんは知恵を解きほぐして自然と同化しましょうと言っていると考えています。あくまで僕なりの解釈です。

 

知恵が人を眩ませるのかはわかりませんが、現代社会では知恵によって発展しています。ですが一方でたくさんの問題を孕んでいるんですね。僕は老子さんの言葉を真っ向から否定することはありませんが、老子さんの主張は今の社会の問題を予知しているような内容が含まれていると思います。それは老子さんの時代から2000年以上経った今でも変わらないです。

 

なぜか。それは人間が根本的に変わらない生き物だから。

 

だから老子さんの頃から時代を経ても戦争は起こりますし貧富の差や贅沢と質素の差があるんですね。戦争や差が起これば当然あらゆる感情が生まれますから新たな問題を生んで……の負の連鎖です。

 

知は人間の特権です。だからこそ知の使い方には気を使わなければいけません。

 

老子さんは、そんなことを言っているのかもしれませんね。

 

 

老子 (岩波文庫)

老子 (岩波文庫)